在宅療養中の“老老介護”家庭への訪問看護支援|支えるご家族の安心のために
【お名前】Tさん(介護される方)/Kさん(介護者)
【年 齢】Tさん 88歳/Kさん 85歳
【疾患名】Tさん:脳梗塞後遺症、認知症/Kさん:高血圧・変形性膝関節症
【要介護認定】Tさん:要介護4/Kさん:自立(介護者)
訪問看護介入までの経緯
ご夫婦は、80代後半の“老老介護”家庭。ご主人のTさんは脳梗塞後遺症と認知症が進行し、妻のKさんが長年一人で介護を続けていました。近年、Kさん自身の体力低下と膝の痛みにより「このままでは介護を続けられない」と限界を感じ、ケアマネージャーが訪問看護を依頼、ご夫婦の安全と安心を支える支援が始まりました。
看護師からのアセスメント
訪問初回、Tさんは日中ほぼ臥床しており、体位変換も難しく褥瘡の兆候が見られました。Kさんは介護疲れから表情も暗く、「夜も何度も起こされて眠れない」と話されました。介護の技術的な支援だけでなく、和子さん自身の身体・心の健康を支えることが最優先課題と判断。家族全体の生活を包括的に見る支援体制が求められました。
提供したケア/リハビリ
訪問では、褥瘡予防の体位変換・スキンケア、排泄支援、経口摂取サポートを実施。Kさんには「一人で抱え込まなくていい」と伝え、介護動作の省力化や福祉用具の提案を行いました。ケアマネジャーとも連携し、訪問介護・デイサービスの導入を支援。介護記録ノートの活用や、Kさんの体調確認も定期的に行い、ケアの質とご本人の健康の両立を図りました。
訪問看護介入の結果としてのアウトカム
介護負担の軽減により、Kさんは睡眠時間と体力を回復。Tさんの皮膚状態も改善し、体位交換のタイミングが明確になったことで、介護の不安が減少しました。「もう無理かもしれないと思っていたけど、支えがあると続けられる」とKさんも前向きに。老老介護世帯における“伴走支援”が、ご夫婦の在宅生活の継続に大きく貢献できたと思います。
介入した看護師からのコメント
「老老介護では、“支援を受けてもいい”という気づきそのものが、介護生活の大きな転機になります。Kさんはとても頑張り屋さんで、最初は頼ることに戸惑いもありましたが、少しずつ“分担できる安心”を感じてくださったと思います。訪問看護は、“介護者の人生も支えるケア”であると、改めて実感した支援でした。」
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