慢性心不全と訪問看護|息切れやむくみのケア、服薬管理をサポート
【お名前】Tさん(仮名)
【年 齢】85歳
【疾患名】
慢性心不全、高血圧症
【要介護認定】要介護2
訪問看護介入までの経緯
Tさんは数年前から心不全による息切れや足のむくみが見られ、内科通院を継続していました。しかし最近、夜間の呼吸苦や倦怠感が増し、入退院を繰り返すようになりました。
主治医の勧めと「再入院を防ぎ、安心して自宅療養を続けたい」というご本人とご家族のご希望により、ましろ訪問看護ステーションの介入が始まりました。
看護師からのアセスメント
訪問初期では、足の浮腫と頬部の軽度チアノーゼ、労作時の息切れが確認されました。内服薬の管理はご本人任せであったため、服薬管理にやや不安がありました。
また、日常的な体重や血圧、浮腫の観察や対処が不足しており、再入院のリスクが高い状態と判断しました。ご本人は「できるだけ家にいたい」との強い希望があり、それを叶えるためのケア体制を整えました。
提供したケア/リハビリ
週2回の訪問で、バイタルチェック、浮腫の観察、体重の変化管理を行い、早期兆候を見逃さない体制を構築。服薬カレンダーと点検表を活用し、内服忘れを防止しました。
また、医療機関の管理栄養士と連携し塩分・水分制限の食事指導を行いました。軽い足の挙上運動や有酸素運動など、自宅でできる簡易リハビリも導入しました。
訪問看護介入の結果としてのアウトカム
介入後少しずつ夜間の呼吸苦が緩和され、現在まで再入院はなく安定した在宅療養が継続できています。
毎日の体重測定が習慣化され、体重の変動が見られた際にも早期に対応できたことで、状態悪化を未然に防ぐことができました。ご本人も以前より明るくなり、短時間の買い物や庭の手入れも再開されました。
介入した看護師からのコメント
「心不全は日々の体調変化が再発や重症化につながるため、異常の早期発見・対応が鍵です。Tさんはとても前向きな方で、体重記録や薬の管理もすぐに習慣にしてくださいました。ご家族とも情報を共有し、食事や生活の工夫に協力してくださったことも、再入院に至っていない要因だと感じています。」
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