COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者さんの呼吸リハビリと訪問看護
【お名前】Mさん(仮名)
【年 齢】73歳
【疾患名】慢性閉塞性肺疾患(COPD)・軽度心不全併発
【要介護認定】要介護1
訪問看護介入までの経緯
Mさんは長年の喫煙歴があり、5年前にCOPDと診断されました。最近では階段や外出時の息切れが顕著になり、「このまま悪化するのでは」と不安を抱くように。主治医の勧めで在宅酸素療法を導入し、あわせて呼吸リハビリと日常生活支援のために訪問看護を開始。
ましろ訪問看護ステーションが週2回の介入を行い、安心して暮らせる環境づくりをサポートしています。
看護師からのアセスメント
初回訪問時、安静時は比較的安定していましたが、少しの動作でSpO₂が急激に低下し、呼吸苦が強く現れる状況でした。呼吸法への理解は乏しく、生活の中で「どう動けば楽か」が分からないまま日常を送っていた状態。
ご本人は「人に迷惑をかけたくない」と頑張りすぎる傾向もあり、無理のない生活設計と“息切れしにくい動作”の習得が必要と判断しました。
提供したケア/リハビリ
訪問では、呼吸リハビリとして「口すぼめ呼吸」や「腹式呼吸」の指導を中心に、日常生活に取り入れやすい運動を組み合わせて実施。ベッドサイドでできる軽い下肢運動や、歩行時の休憩方法などもアドバイスしました。
加えて、酸素使用時の流量管理や鼻カニューレの装着チェックも定期的に行い、ご本人の不安軽減と自己管理力の向上に努めました。
訪問看護介入の結果としてのアウトカム
呼吸法の習得により、日常生活での息切れが軽減され、週に数回の外出も可能に。
ご本人からは「買い物に自分で行きたいな」と前向きな言葉が聞かれるようになりました。酸素使用に対する抵抗感も薄れ、「動くことが少し怖くなくなった」と実感されています。今では、毎日の簡単な体操と自己観察が習慣となり、再発予防に向けた意識が高まっています。
介入した看護師からのコメント
「COPDの方にとって、“苦しい”という体験が心と体の活動を抑えてしまうことが多いです。Mさんはとても前向きで、呼吸リハビリにも意欲的に取り組まれました。ご本人の“できることを増やしたい”という気持ちに応える支援ができたこと、そして生活の中で笑顔が増えていったことが何より嬉しかったです。」
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