胃ろう・経管栄養が必要な方への訪問看護対応まとめ
【お名前】Nさん(仮名)
【年 齢】84歳
【疾患名】嚥下障害(脳梗塞後遺症)、認知症
【要介護認定】要介護4
訪問看護介入までの経緯
Nさんは脳梗塞後、嚥下障害が残り、経口摂取が困難となったため胃ろうを造設。
認知症も進行しており、食事中の誤嚥リスクが高く、ご家族が胃ろうの管理や食事の方法に強い不安を感じていたことから、主治医の指示のもとましろ訪問看護ステーションが介入を開始しました。
看護師からのアセスメント
訪問初回時、胃ろうカテーテルの固定は良好でしたが、栄養注入中の嘔気が見られること、注入後の逆流リスク、便秘など消化器症状への対応が課題でした。ご家族は注入速度や手技に不安を持ち、毎回のケアに緊張している様子でした。
また、ご本人は認知機能の低下により拒否的な態度を見せることもあり、安全性と心理的安定の両立が重要と判断しました。
提供したケア/リハビリ
週2回の訪問で、胃ろう部の観察・皮膚トラブルの確認・カテーテルの固定チェック、注入中の体位調整を実施。注入速度の調整や温度管理を助言し、嘔気・下痢・便秘への対応法を具体的に説明しました。ご家族への反復指導により、自信を持って注入できる体制を整え、ご本人の安定した生活リズムの構築に繋げました。
訪問看護介入の結果としてのアウトカム
栄養注入中のトラブルが大幅に減少し、便秘や嘔気も徐々に改善。ご家族は注入手技に慣れ、「毎日のケアが落ち着いてできるようになった」と話されています。ご家族の安心が伝わったのか、ご本人の拒否的態度も和らぎました。
訪問看護の介入以降、トラブルの少ない胃ろう管理が可能となり、入院リスクの回避と在宅生活の安定につながっています。
介入した看護師からのコメント
「胃ろうのケアは“手技の習得”だけでなく、“安心して続けられるか”がとても大事だと思っています。ご家族が不安を一つずつ解消していく中で、介護への自信が生まれ、ご本人にもその安心感が伝わったように思います。在宅での栄養管理が安全に行えるよう、これからも丁寧にサポートを続けてまいります。」
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