【お名前】Hさん(仮名)
【年 齢】77歳
【疾患名】心筋梗塞後、不整脈(心房細動)
【要介護認定】要介護1


訪問看護介入までの経緯

Hさんは数か月前に心筋梗塞を発症し、緊急手術で一命を取り留めました。退院後は不整脈(心房細動)の管理が必要となり、日常生活に不安を感じながらも自宅での療養を希望。再発リスクと服薬管理の重要性から、主治医の勧めで訪問看護を導入。ましろ訪問看護ステーションが、再発予防・健康観察・家族支援を目的に介入を開始しました。

看護師からのアセスメント

初回訪問時、Hさんは日常生活は概ね自立していたものの、動悸や不整脈への不安が強く、「また発作が起きるのでは」という恐怖感を抱いていました。抗凝固薬の自己管理にも不安があり、血圧や脈拍のセルフチェックができていない状態。再発防止に向けた日常的な観察・正しい知識の提供・服薬管理体制の構築が必要と判断しました。

提供したケア/リハビリ

週2回の訪問で、バイタルサイン(血圧・脈拍)のチェックと記録支援、服薬管理の確認、体調変化への問診を実施。心臓に負担の少ない運動(軽いストレッチ・屋内歩行)の指導を理学療法士と連携し、生活リズムを整える支援を行いました。また、抗凝固薬の副作用(出血など)や、急変時の対応についても家族と共有し、安心できる体制づくりを図りました。

訪問看護介入の結果としてのアウトカム

不整脈に対する理解が深まり、セルフモニタリングの習慣が定着。ご本人の不安が軽減され、動悸がしても落ち着いて休憩と深呼吸をされるなど、自己対処も可能に。家族も「何に気をつければいいか分かるようになった」と安心感が増しました。血圧や脈拍の安定が維持され、医師からも「在宅管理がうまくいっている」と褒められ、喜ばれていました。

介入した看護師からのコメント

「心疾患の再発予防では、“日々のちょっとした変化”を見逃さないことが重要です。Hさんはとても真面目な方で、少しずつご自身で観察できるようになったことで不安も軽減されました。私たち訪問看護は、“自分で体を管理できる力”を育てることも大切な役割です。これからも安心して生活できるように、しっかりと支えていきます。」

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