在宅人工透析(腹膜透析)の方に対する訪問看護支援|感染予防と継続支援
【お名前】Sさん(仮名)
【年 齢】70歳
【疾患名】末期腎不全(慢性腎臓病)、CAPD(腹膜透析)実施中
【要介護認定】要介護2
訪問看護介入までの経緯
Sさんは慢性腎不全により透析導入が必要となり、通院負担の軽減と生活の自由度を重視し、在宅での腹膜透析(CAPD)を選択されました。当初は手技に自信がなく、感染症への不安も大きかったため、主治医の紹介でましろ訪問看護ステーションが介入。感染予防、自己管理支援、トラブル早期発見を目的に、定期訪問がスタートしました。
看護師からのアセスメント
訪問初回時、透析機器や衛生管理に真面目に取り組まれていたものの、カテーテル挿入部の観察に不安があり、「いつもここで大丈夫か心配になる」と訴えがありました。交換手順の確認や排液の性状観察に不慣れな点もあり、トラブルを未然に防ぐ支援が必要と判断。安全な自己管理の支援と、異常なく継続できる体制作りが課題でした。
提供したケア/リハビリ
訪問では、カテーテル挿入部の感染兆候チェック、排液の濁り・色調・量の確認、交換手順の見直しを行いました。無菌操作の再確認や、交換時の動作確認を通じて手技の精度向上を図り、緊急時の対応方法(発熱・腹痛など)を整理し、壁に貼る形で共有。食事・水分管理については医師と連携し、腎機能維持に配慮した生活支援も行いました。
訪問看護介入の結果としてのアウトカム
介入以降、感染トラブルは一切なく、カテーテル部位の皮膚状態も良好を維持。排液管理が自立し、ご自身で状態把握や管理ができるようになりました。生活リズムも整い、買い物や近所の散歩なども可能に。訪問看護の導入以降、“医療”が日常に組み込まれた形となり、安定した在宅透析生活が継続できています。
介入した看護師からのコメント
「在宅腹膜透析は管理方法が繊細で、Sさんは最初とても慎重でしたが、毎回確認を重ねる中で“自分で管理する力”を着実に身につけてこられました。私たちと一緒に試行錯誤することで、安心して過ごせる方法が見つけられたことを誇りに思います。今後も継続して支援していきます。」
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