高齢者・慢性疾患


【お名前】S.Sさん(仮名)
【年 齢】82歳
【疾患名】
脳梗塞後遺症、高血圧、2型糖尿病
【要介護認定】要介護2


訪問看護介入までの経緯

Sさんは数年前に脳梗塞を発症し、その後遺症として右片麻痺と軽度の認知脳機能障害が残りました。
再発予防のための服薬管理や自宅の環境下での生活、ご家族の認知機能障害への対応に不安があり、自宅での生活を続けるために要介護の認定を受け、担当ケアマネージャーからの依頼と主治医からの指示書をもとに、ましろ訪問看護ステーションの介入が始まりました。

看護師からのアセスメント

訪問初回のアセスメントでは、服薬の自己管理に課題が見られ、血糖コントロールも不安定な状況でした。
右半身の麻痺により移動や排泄に介助が必要であり、転倒リスクも高く、日常生活動作(ADL)にも介助が必要でした。
ご本人の「なるべく自分でできることは続けたい」という希望と、ご家族の介護負担のバランスを重視し、支援計画を立案しました。

提供したケア/リハビリ

看護師による週1回の訪問で、血圧・血糖測定、内服確認、体調管理と生活習慣の見直しを実施。
理学療法士も週2回訪問し、更衣やトイレ動作の練習、歩行訓練・転倒予防のための下肢筋力強化を中心にリハビリを提供しました。
また、ご家族には介助方法や記録の工夫をお伝えし、介護負担の軽減と安心感の確保をサポートしました。

訪問看護介入の結果としてのアウトカム

介入開始から3か月後には、服薬の自己管理がスムーズに行えるようになり、血糖・血圧ともに安定。足腰の筋力向上により、ポータブルトイレまでの移動がご本人だけで可能になりました。
ご家族も「以前より安心して外出できるようになった」と語られており、在宅生活の継続を現実的かつ安全に実現できるようになりました。

介入した看護師からのコメント

「Sさんは『自分のことはできるだけ自分でやりたい』という強い思いをお持ちでした。私たちはそのお気持ちを尊重しながら、無理なく生活を続けられるよう支援してきました。ご本人の前向きな姿勢とご家族の協力が良い変化に繋がっていると思います。
これからも安心して過ごせるようサポートを続けていきます。」

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