心臓ペースメーカー装着後の生活と訪問看護|異常兆候の早期発見
【お名前】Mさん(仮名)
【年 齢】80歳
【疾患名】徐脈性不整脈(洞不全症候群)、心臓ペースメーカー装着済み
【要介護認定】要介護1
訪問看護介入までの経緯
Mさんは徐脈によるめまいやふらつきが頻発していたため、ペースメーカーを装着。術後の経過は良好でしたが、ご本人とご家族の「異常に気づけるか不安」といった不安への対処や、服薬管理、異常の早期発見を目的とし、主治医の勧めで、ましろ訪問看護ステーションが定期訪問によるサポートが開始されました。
看護師からのアセスメント
初回訪問時、術部は問題なく治癒していましたが、ご本人は「時々胸がチクッとする」といった漠然とした不安を抱えており、日中も安静にしがちで活動性が低下していました。ご家族は異常時の対応に不安を感じており、日常生活における“何が異常か分からない”状態。心拍や血圧の変動と症状の関係を正しく理解する支援が必要と判断しました。
提供したケア/リハビリ
訪問時には、バイタルチェック(脈拍・血圧・SpO₂)と自覚症状の聞き取りを行い、正常な状態ではどんなサインがあるのかを共有。異常時対応マニュアル(めまい・胸痛・失神など)を作成し、見える場所に掲示しました。また、活動低下予防として、散歩・筋力維持体操などの軽運動を理学療法士と連携して提案し、活動量の回復を支援しました。
訪問看護介入の結果としてのアウトカム
「心拍数の安定」と「症状の有無」の関係を理解することで、Mさんとご家族の不安が軽減。「少し動いても大丈夫」という実感が自信につながり、活動量も回復。ご本人は「怖がらずに生活できるようになった」と語り、外出機会も増えました。ご家族も「異常かどうか判断できるようになった」と安心されています。
介入した看護師からのコメント
「ペースメーカー装着後の方は、身体機能が回復しても“心理的不安”が大きな障壁になることがあります。Mさんは“見えない不安”に真摯に向き合いながら、徐々に生活に自信を取り戻されました。私たちは、“体”だけでなく“心の安全”を支える看護で、これからも安心の暮らしを守っていきます。」
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