関節リウマチ患者の生活支援と訪問看護|痛みケアとセルフマネジメント
【お名前】Iさん(仮名)
【年 齢】74歳
【疾患名】関節リウマチ
【要介護認定】要介護2
訪問看護介入までの経緯
Iさんは10年以上前に関節リウマチと診断され、近年は手指・膝の変形と痛みにより日常生活に支障が出ていました。特に朝のこわばりや日中の疲労感が強く、「一人では思うように動けない」との訴えがありました。ご家族も介助に限界を感じていたため、主治医の勧めでましろ訪問看護ステーションの支援が始まり、生活機能の維持と自己管理支援を目的とした介入がスタートしました。
看護師からのアセスメント
初回訪問では、日常動作に時間がかかり、特に朝の動き出しに強い困難を感じていました。関節の腫脹と痛みによる運動制限があり、精神的にも「もう何もできない」と自己効力感の低下が見られました。薬は処方通りに内服されていましたが、副作用への不安もあり、適切な疼痛管理と、生活の中で“できること”を増やす視点での支援が必要と判断しました。
提供したケア/リハビリ
訪問では、痛みの強い時間帯に合わせて温罨法やストレッチの実施、関節の可動域を保つ運動をリハビリスタッフと協力して行いました。服薬アドヒアランスを高めるため、副作用や効果について丁寧に説明し、安心して薬を継続できるよう支援。日常生活動作(ADL)の工夫として、福祉用具の導入(持ちやすい食器・浴室用手すり)を提案し、“無理なく続けられる生活”を整備しました。
訪問看護介入の結果としてのアウトカム
少しずつ朝のこわばりが緩和され、1人での起床や洗顔が可能に。関節の可動域も維持され、ご本人は「痛みはあるけれど、動けることが嬉しい」と語っています。セルフマネジメント意識が高まり、日記形式の痛み記録も継続中。ご家族は「以前より前向きな言葉が増えた」と話し、家庭内の雰囲気にも変化が見られています。
介入した看護師からのコメント
「関節リウマチは、痛みと“できない体験”が重なって、ご本人の気力を奪ってしまうことがあります。Iさんは、ほんの少しの前進を“自分の力”として受け止めてくださり、そこから笑顔や会話も増えてきました。これからも“できる”を育てる支援を続けていきたいと思います。」
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