事例紹介 -Case study-
【お名前】K氏(仮名)/ 78歳
【疾患名】肺気腫による慢性呼吸不全/大腸癌の術後、軽度の脳梗塞後遺症あり
【要介護認定】要介護2
胃癌術後で元々あった呼吸不全が悪化してHOT導入になり、状態観察・呼吸リハ目的で約2年前からケア開始となった。
週2回看護訪問、週1回リハビリ訪問で介入。
近くにお姉さんと甥っ子さんが住んでいるものの、自立したお一人暮らしを望まれている。
一方で数か月前からの体調悪化やデイケアへの通所もできていないことから介護施設への入居調整がされている。
現在は施設入居までの一人暮らし継続のため、本人の意志を尊重しながら体調確認や傾聴による体調への不安軽減、呼吸苦に自分で対応できるためのリハビリ介入がメインとなっている。


アセスメント
① 体調確認
呼吸苦出現時の対処法や吸入など呼吸リハによる自己対応ができているか、食事量の聞き取りや生活状況について確認する必要がある。
② 入浴や清拭の介助
介入の拒否があれば本人の意志を尊重するが、デイケアによるシャワー浴ができていないため、確認できる範囲での皮膚状態確認、保清を促す必要がある。
③ 受診や施設入居の状況確認
服薬の状況や今後の通院のスケジュールを確認し、体調に変化があればケアマネに繋いで受診を促す必要がある。
また空き待ちとなっている施設との調整状況確認や入居意思の確認を継続しておこなう。
④ リハビリ
呼吸方法の指導や呼吸をしやすくするための運動、ストレッチなどによる呼吸リハのほか、足腰の筋力トレーニング、自主トレの指導、生活動作の指導をおこなう。
⑤ 傾聴
不安が増すことで息苦しさが強くなることもあるため、傾聴や雑談を通じて体調確認だけでなく精神的な不安を取り除いていく必要がある。
提供したケア/リハビリ
● 検温、酸素濃度測定、聴診、血圧測定
● 最近の体調や運動、呼吸、発作の有無、食事内容の確認
● 入浴提案
● 傾聴によるメンタルケア
アウトカム
数か月前から体調が悪化し、食欲低下や不整脈などがあったものの、看護師やリハビリが入ることで人との繋がりが保たれること、生活を続けることへの安心感を抱けていることでストレスが減っているようだ。
その結果、不安が軽減されることで強い息切れも起きにくくなっている。
生活状況や状態に合わせた傾聴や助言が生活のモチベーション向上に大きく繋がっている様子。
近隣に親戚がいるものの、看護師との関係性構築による定期的な介入や緊急コールによって「何かがあれば相談できる」という安心感を得ており、施設入居までの一人暮らしを維持できているように見受けられる。

ご利用者からのコメント
ご本人
「定期的に訪問に来てもらえて、一人であっても以前より安心して過ごせるようになりました。ちょっとしたことでも相談しやすく、困ったときはすぐ対応してくれるので助かっています。」
訪問看護師からのコメント
私がケアに入って半年ほどが経ちました。
体が弱ってきてなかなか自分で自分のことができないもどかしい気持ちがあると思いますが、それでも私たちが関わることで安心感を覚え、一人暮らしを叶えていらっしゃることに喜びややりがいを感じています。
雑談を通して精神的な不安を少しでも解消できていると実感しますし、私たちも楽しい時間や学ばせていただくことが多いです。
これからもご本人の意志を応援しながら、小さな変化でもすぐに察知できるようにしていきたいです。

■ 名前:木村(キムラ)
■ 資格:看護師
■ 臨床経験
都内の大学病院で18年程働いていました。泌尿器科・脳外科病棟、救急外来、外科病棟、内科外来等様々な部署で経験を積み、急性期、慢性期、がんの患者さんと接してきました。
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