尿カテーテル・バルーン管理と訪問看護|感染予防と安心の支援体制
【お名前】Tさん(仮名)
【年 齢】81歳
【疾患名】前立腺肥大症・神経因性膀胱
【要介護認定】要介護3
訪問看護介入までの経緯
Tさんは神経因性膀胱により長期的な導尿管理が必要となり、退院後にバルーンカテーテルが留置されている状態で在宅療養を開始しました。退院時にご家族が尿の色やカテーテルの扱いに不安を感じ神経質になっていたので、主治医からの紹介により、ましろ訪問看護ステーションが介入し、感染予防と安心感の提供を目的とした支援が始まりました。
看護師からのアセスメント
初回訪問時、尿の混濁やカテーテル周囲の発赤などは見られなかったものの、ご家族の不安は強く、1日に何度も観察している状況でした。カテーテルの固定状態や排尿パターンの変化に過敏になりがちで、心身の負担が大きくなっていました。
感染予防と同時に、“安心して任せられる”支援体制の構築が必要と判断しました。
提供したケア/リハビリ
訪問では、バルーンカテーテルの固定・尿色の確認・導尿ラインの清潔保持・感染予防のケアを中心に実施。ご家族には、日々の観察ポイント(尿の色・におい・発熱・排尿量)を分かりやすく伝え、必要以上の不安を軽減するよう支援しました。
また、排泄記録の共有・次回交換予定の管理表も導入し、状態変化への早期対応が可能な体制を整備しました。
訪問看護介入の結果としてのアウトカム
感染兆候の早期発見と予防が徹底され、尿路感染のリスクが軽減。ご家族は「必要な時に連絡できる」という安心感から精神的に落ち着き、日々のケアにも余裕が生まれました。尿路トラブルによる緊急電話もなくなり、自宅で安定した排泄管理が継続できています。
ご本人も「気持ち悪さが減った」と話され、生活を安定させることができました。
介入した看護師からのコメント
「Tさんのご家族は最初とても不安が強かったですが、毎回丁寧に観察と声かけを行うことで、信頼関係を築くことができました。カテーテルのことを“特別なこと”ではなく“日常の一部”にできたことが、継続可能な在宅療養につながったと思います。」
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